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鏡花水月の術【TSF、入れ替わり】

女装を始めた頃から、現在の生活基盤が出来るくらいまでをラノベ風にフェイクを入れつつ書いてみました。
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翻訳

冷たい冬風が街灯の明かりを揺らす夜。

一樹は人気のない路地で足を止めた。

ふとした違和感に振り返ると、艶やかな青い着物を纏った女性が微笑んでいた。

彼女の姿は、まるで絵画から抜け出してきたように美しかった。

「こんな時間に、一人?」

女性の声は鈴の音のように響く。

一樹は不意を突かれ、思わず言葉を詰まらせた。

「え、あ…ちょっと寄り道してただけです。」

彼の反応を見て、女性はゆるりと笑みを深めた。

その微笑みには、どこか底知れぬ不気味さがあった。

「こんな寒い夜だもの、温かいお茶でも飲んでいかない?きっと気分がほぐれるわ。」

誘いに戸惑いながらも、一樹の心は揺れていた。

帰宅を急ぐべきだという理性と、美しい女性の声に引き寄せられる本能。

その葛藤に勝てず、彼は小さく頷いた。

女性に案内されるまま、一樹が足を踏み入れたのは、古風な和室だった。

畳の香りが漂う中、座卓に置かれた湯呑みからは湯気が立ち昇っている。

「どうぞ。温かいわよ。」女性はにこやかに湯呑みを差し出した。

一樹は警戒心を抱きつつも、礼儀正しく受け取った。

「ありがとうございます。」湯呑みを両手で包み込み、一口含むと、体の中に心地よい熱が広がった。

だが次の瞬間、視界がぐにゃりと歪み始める。

「ん…?これ、何だ…?」身体が思うように動かない。

驚きと恐怖が胸を締め付ける中、彼の意識は闇に飲み込まれていった。

気が付いた時、一樹は自分の姿がスライムのように溶けていることに気づいた。

目の前には、先ほどの女性が不敵な笑みを浮かべている。

「驚いた?これが私のやり方なの。」

「な…何が…起きて…?」

声を発しようとしても、スライム状の身体では叶わない。

ただ液体としてそこに在るだけだった。

女性はもう一つの湯呑みを手に取り、ゆっくりと口元に運んだ。

目を閉じ、口元を緩めながら飲み干すと、その身体が白い光に包まれ始める。

「あなたの若さを少し分けてもらうわ。でも、その前に、ちょっと面白い体験をさせてあげる。」

女性の言葉を理解する間もなく、一樹のスライム状の身体は彼女の身体に流し込まれた。

気が付けば、一樹は女性の身体に入っていた。

細い指先、柔らかい肌、しなやかな腰――自分とは全く違う身体の感覚に圧倒された。

「これ…俺の身体じゃない…?」彼は混乱しながらも、目の前の鏡に映る自分――いや、女性の姿――を凝視した。

「どう?女の身体って面白いでしょう?」声が聞こえ、振り返ると、自分の姿をした女性――いや、女性の意識が宿った自分自身――がいた。

「そ、そんな…どうして…!」

「ちょっと悪戯をしてみたくなっただけよ。さあ、この身体をじっくり楽しんでみなさい。」

女性の言葉に逆らう間もなく、一樹は恐る恐る自分の身体を触れ始めた。

指先が胸や腰を滑るたびに、信じられないほど敏感な感覚が襲ってくる。

「これが…女の身体…なのか…」

羞恥と興奮が入り混じる中、彼は女性特有の感覚に飲み込まれていった。

「そろそろ元に戻してあげるわね。でも、その前に一つ教えてあげる。」

女性――いや妖怪――は妖艶な笑みを浮かべながら、一樹に術の方法を伝授し始めた。

「この術を使えば、誰とでも身体を入れ替えられるわ。ただ、上手く使わないと大変なことになるから、注意しなさいね。」

術を教わった後、再び入れ替わる呪文を唱えると、光と共に一樹は自分の身体に戻っていた。

翌日、一樹はその術が本当に使えるのか試すため、放課後に偶然近くを歩いていたクラスメイトの女子に向けて呪文を唱えた。

呪文を唱えた瞬間、視界が一瞬暗くなり、次に開けた時には見知らぬ景色が広がっていた。

見下ろすと、細くしなやかな指先と短いスカートが視界に映り込む。

「これ…成功してる…!」一樹は驚きと興奮を押し殺しながら、目の前の鏡に映る彩花の顔を見つめた。

その頃、元の彼の身体に入った彩花は混乱していた。「え、何これ!?私、どうして…一樹の身体に…?」

一樹――今は彩花の身体――は冷静を装いながら、戸惑う「自分」に声をかけた。

「彩花、大丈夫か?これ、きっと何かの事故だよ!一緒に解決方法を考えよう。」

驚いたふりをしながら、一樹は少しずつ彩花の身体に触れる機会を伺っていた。

「まず、何が変わったか確認しようか。大丈夫、少し触るだけだから。」

一樹は優しく言いながら、彩花の肩や腕に手を触れる。

柔らかい感触と華奢な身体に、心の中で興奮を抑えきれない。

「こ、こんなことしてる場合じゃないでしょ!」

彩花は焦った声を上げるが、その声も自分のものではなく、一樹の低い声だ。

「ごめん、ごめん。けど、君もこの身体がどうなってるか確認した方がいいんじゃない?」

一樹は彩花に向かって、自分の身体――つまり彩花が入った男子の身体――を触らせるよう促した。

「え、私が…自分の身体を触るの?」彩花は躊躇いながらも、一樹に促されて仕方なく自分の――いや、一樹の身体に触れ始めた。

「うわ、筋肉がすごい…こんなに力強い感覚…」彼女の手が腕から胸に移るたび、一樹は心の中でほくそ笑んだ。

「面白いだろ?男子の身体ってこういう感覚なんだよ。」彩花が触れる様子を眺めながら、一樹はさらに言葉を重ねた。

「でも、女子の身体もすごいよ。すごく柔らかくて…触れると敏感だし。」

彩花は困惑しながらも、鏡越しに自分――今は一樹の身体――を見る。

「これ、どうやって元に戻るの…?」

「まあ、僕がいろいろ考えてみるよ。」

一樹は彩花の身体に宿るその感覚を存分に味わいながらも、彼女に安心感を与える言葉を選んだ。

「でも、戻る前に少し楽しんでみるのも悪くないかもね。」

彼の言葉に、彩花は「何を言ってるの?」と怪訝そうな顔をするが、内心、自分が男子の身体に宿っている新鮮な感覚にも興味を持ち始めているのを感じていた。

最終的に一樹は、教わった術で二人を元の身体に戻した。

だが、彼は新たな興味を抑えきれない。

術の魅力を知り尽くした一樹は、さらなる冒険を求めてこの禁断の力を使い続けることを心に決めていた。

彩花は、一時的な混乱の中で起きた出来事を夢だと思い込むようにし、自分の身体がどこかおかしいように感じることに気づきながらも深く考えることはなかった。

こうして、一樹の新たな「生活」が幕を開けた。

特殊な力とかもらえるのなら、ちょっと連れていかれても良いかも?

まあ、若さを分けようにも、もうないですけど♪

でも身体の交換だと自分の身体を好きに使われるリスクがありますからねぇ。。。

とりあえず同盟を組めそうな人と協力して銭湯でも行ってみようか。

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