※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

紅椿の秘密【TSF、着物、変身】

女装を始めた頃から、現在の生活基盤が出来るくらいまでをラノベ風にフェイクを入れつつ書いてみました。
↓の画像をクリックするとアマゾンのリンクに飛ぶので、是非読んでください!

翻訳

年始の静かな昼下がり。

悠真は久しぶりに祖父母の家を訪れていた。

広い座敷には、少し古びた家具や写真が並んでいる。

その中で、一際目を引いたのが紅い着物だった。

「悠真、この着物、覚えてる?」祖母の静香が懐かしそうに微笑む。

「うーん、見覚えないけど……綺麗だね。ばあさんが若い頃に着てたの?」

「そうよ。この着物にはね、少し不思議な話があるの。」

「不思議な話?」悠真が首を傾げると、静香はゆっくりと語り始めた。

「昔、この着物を手に取った人は、自分ではない誰かになったような気分になると言われているのよ。実際にそうなったって話もあったりしてね。」

「まさか。そんなの迷信でしょ。」

悠真は軽い気持ちでその着物を手に取った。

すると、不思議な温かさが指先から広がり、次の瞬間――。

鏡に映る自分の姿を見て、悠真は驚きのあまり声を失った。

そこには祖母の若い頃そっくりの女性が立っていたのだ。

「な、なんだこれ……!」

視線を下ろすと、艶やかな紅い着物が自分の体にぴったりと合っている。

肌の感触も、髪の長さも、自分のものとは全く違う。

「どうしたの、悠真?」背後から祖母の声がした。

振り向くと、そこには普段通りの祖母が立っている。

彼女は全く驚いた様子もなく微笑んでいた。

「えっと……ばあさん、これどうなってるの?」

「ふふっ、だから言ったでしょ。この着物には少し不思議な力があるって。」

悠真は混乱しながらも、祖母に導かれるまま居間に戻った。

しかし、動きや視界がいつもと違う。

柔らかな着物の袖や、長い髪が揺れるたびに現実感が薄れていくようだった。

その日の午後、祖母に頼まれた買い物のために外に出ることになった。

「これでスーパーに行ってきて。」

「いやいや、この姿で外に出るのは無理だよ!」

「大丈夫よ、誰も悠真だなんて気づかないわ。」

渋々ながらも悠真は祖母の若い頃の姿で外出することに。

商店街を歩いていると、周囲の視線が気になり落ち着かない。

「すごい美人だな……。」

「どこの人だろう?」

聞こえてくるささやき声に、悠真は頬が熱くなる。

自分が女性の姿をしていることを改めて実感し、戸惑いを隠せなかった。

買い物を終えて家に戻ると、祖母が微笑みながら迎えてくれた。

「どうだった?外の世界は。」

「……正直、変な気分だったよ。でも、なんだかみんな親切だった。」

「それはあなたが、私の若い頃の姿をしているからかもね。」

その夜、悠真は一日を振り返りながら祖母と話をしていた。

「ねぇ、ばあさん。この姿になって、少しだけばあさんの気持ちが分かった気がする。」

「それは良かったわ。この着物はね、ただの服じゃないの。自分と違う視点を持つきっかけをくれるものなの。」

「でも、なんでばあさんがこれを俺に?」

「あなたには、他人の立場を考える優しさがあると思ってたからよ。」

悠真は静香の言葉に深く頷いた。

悠真が着物を脱ぐと、元の自分の姿に戻っていた。

祖母は少し寂しそうに微笑みながら言った。

「また着物を手にしたくなったら、いつでも言ってね。」

「うん……ありがとう、ばあさん。」

この不思議な体験は、悠真の心に深く刻まれた。

祖母と自分のつながり、そして自分自身の新たな一面を知るきっかけとなったのだった。

祖父や祖母の若い頃なんて、写真でも見ないとわからないですよね。

私は色々あって見たことないですけど。

やっぱり父や母に似てるんですかね?

コメント

タイトルとURLをコピーしました