煌びやかな夜会の会場。
玲香(れいか)は真紅のチャイナドレスを纏い、人混みをすり抜けるように進んでいた。
華やかな微笑みを浮かべてはいるが、その瞳は冷静で鋭く、ターゲットを逃さない。
ターゲットの初老の男に近づいた玲香は、わずかに目線を交わし、計算された動きで彼を隣室へと誘導する。
そして、そこに他人の目がないことを確認した玲香は、手際よく短剣を抜き放ち、静かにその命を奪った。
「……任務完了。」
その声に、誰かの息を呑む音が重なる。
振り返ると、そこには一人の若い男が立ち尽くしていた。
「お前、何を……!」
玲香は冷静にその男――透也(とうや)を観察する。
「目撃者ね……面倒なことになった。」
玲香が透也に近づこうとしたその瞬間、廊下の向こうから警備員の怒声が響き渡る。
「暗殺者がここにいるぞ!」
状況を把握した玲香は、懐から青い石がついたペンダントを取り出す。
「悪いけど、あなたには協力してもらう。」
「は?何を言って……!」
玲香は透也にペンダントを押し当てた。
眩しい光が部屋を包み、次の瞬間、玲香と透也の体は入れ替わっていた。
「これで少しは時間を稼げる。」
玲香(透也の体)は、透也(玲香の体)をその場に残し、すぐさま出口に向かって駆け出した。
透也は、玲香の体の中で困惑しながらも、警備員に捕まる。
「暗殺者を捕らえたぞ!」
「待て、俺は違う、俺は……!」
玲香の体のままでは何を言っても無駄だった。
透也はそのまま拘束され、刑務所へ送られる。
数日後、玲香(透也の体)は潜伏先でその報せを聞いた。
「捕らえられた玲香という女が、昨夜処刑されたらしい。」
その瞬間、玲香の胸に重い痛みが走る。
「……彼の命を奪ってしまった。」
玲香は後悔の念を抱きながらも、現実を受け入れるしかなかった。
透也の体で生きることを余儀なくされた玲香は、最初こそ不安定だったものの、少しずつこの新しい体に慣れていく。
彼女は身代わりにしてしまった透也への罪悪感を抱えながらも、自らの正体を隠して生きる術を模索する。
かつてのしなやかな女性の体とは違う、力強い男性の体。
それを使いこなしていく中で、玲香は自分の体では得られなかった自由を手に入れたことに気づく。
「この体なら、もっと強く生きられる。」
だが、彼女の心の中には、透也への謝罪と償いの思いが消えることはなかった。
ある日、玲香は過去を捨てるため、遠くの町へ移り住むことを決意する。
新しい名前、新しい仕事。そして新しい自分。
「透也……あなたの体で生き続ける私を、どうか許して。」
玲香はそう心の中で呟きながら、新しい人生を歩み始めた。
綺麗な女の人になれても、犯罪者は流石に勘弁です。
後、真紅じゃなくて紫です。
赤い髪で完全にコスプレチックになってますね♪
そろそろ本格的に始動しないとな。
ブログ関係は趣味なので、いつでも本気出せます。
本業は中々力が入りませんが。。。
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