柚子花の呪い菓子【TSF、入れ替わり】

※本ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

また、私のように性癖が歪んでも責任は取れません。

女装と男女の入れ替わりは自己責任で♪

AI作文

先にちょっと予告の宣伝てす。

入れ替わり短編集の9作目を7/11に出します。

予約も以下の画像のリンクから受け付けてます!

まあ、予約してくれた人など今までおりませんがw

そもそも内容は過去にこのブログにアップしてるものなので

買う必要性は低いかもしれませんねw

付け足しストーリーと加工前写真が載ってるので

小銭くらい出してやっても良いぞという方向けです♪

毎回延べ50人くらいは買ってくれてるみたいですが

レビューをもらえないのがちょっとさみしい。。。

なお、kindle Unlimitedの人は無料なので是非どうぞ!

     

では、本編をどうぞ!

――目覚めた瞬間、全身をまとわりつくような異様な違和感が柊を襲った。

それは、重い眠りから覚醒する際のぼんやりとした感覚とは全く異なる、脊髄を這い上がるような明確な不快感だった。

「……え?」
声が出た。

しかし、その声は彼自身の、低く落ち着いた声ではなかった。

甲高く、どこかか細く、わずかに息が混じった、まるで少女のような声。

耳慣れない響きに、思わず自分の喉元に触れるが、その指もまた、見覚えのないほど細く、滑らかだった。

まず天井を見た。

アパートの白い壁紙でも、見慣れた蛍光灯でもない。

古い木目の天井が広がり、障子からは柔らかな朝陽が差し込んでいる。

鼻腔をくすぐるのは、畳と、ほのかに甘い柚子の香り。

それら全てが、自分の記憶にある日常とはかけ離れた風景だった。

「……誰だ、これ」

もう一度、声を出してみる。

やはり、自分の声ではない。

混乱が頭の中を渦巻く。

熱があるのか? 悪夢を見ているのか?

昨日の夜、熱を出して早めに寝たような……いや、待て。

昨夜、家に届いたあの和菓子は?

『試作品ですが、よろしければご賞味ください。』

差出人のない小包に、ただそれだけ書かれた小さなメッセージ。

中に入っていたのは、手のひらに乗るほどの、まるい柚子の和菓子だった。

奇妙に思いながらも、何気なく一口食べた、あの不思議な甘み……。

自分の手を見てみる。

長くすらりとした指は節がなく、爪は丁寧に磨かれ、自然な艶を帯びていた。

血管が浮き出る男らしい手とはまるで違う。

思わず、手のひらを何度も開いたり閉じたりしてみる。

まるで自分の意思とは無関係に動く、借り物の腕のようだ。

胸元に目を落とせば――白い肌の上に、ほんのわずかに小さく膨らんだ胸。

そして、肌触りの良い木綿の浴衣が身を包んでいた。

背筋がぞっとする。自分の身体ではない。

間違いなく、これは女性の身体だ。

しかも、まだ成長途中の、年若い少女のものだろう。

(いやいやいやいや、どういうことだ……冗談だろ……?)

混乱と嫌悪感が同時に押し寄せる。

まるで自分の身体が、自分自身のものでないかのような、得体の知れない感覚。

足元がおぼつかないような、浮遊するような奇妙な感覚に、思わず畳に座り込む。

この身体の重心が、まるで分からない。

普段なら何気なく踏み出す一歩が、まるで綱渡りのようだ。

(まさか、あれが原因か? いやそんなバカな……SF漫画じゃあるまいし……)

自嘲するように思考を巡らせた、その時だった。

静かに、部屋の襖が開く音がした。

「……おはようございます、花様?」

穏やかな声で、年配の女性が姿を現した。

その視線は、確かに柊のいる場所へと向けられている。(……花?)

その呼びかけに、柊は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

頭の中に、漠然とした「水無瀬 花」という名前が浮かび上がる。

まるで、この身体が持つ記憶の断片が、急に脳内に流れ込んできたかのようだ。

ようやく事態を察し始めた。

自分は、見知らぬ少女の身体に入り込んでしまったのだと。

そして、その少女の部屋で、朝を迎えているのだと。

全身の血の気が引いていくのが分かった。

これは夢ではない。現実だ。紛れもない、現実だった。
一方、同じ日の同じ時刻――。

「っ……な、なにここ……!?」

狭いアパートのベッドで目を覚ました花は、まず部屋の殺風景さに眉をひそめた

白い壁、小さな窓、生活感のないデスク。

そして、何よりも違ったのは、身体を包む薄い掛け布団の感触と、寝間着代わりに着ているよれよれのTシャツだった。

「は……? え? 男?」

慌てて飛び起き、目に入った鏡を見て、花は喉から絞り出すような声を上げた。

そこに映っていたのは、自分ではない。

見知らぬ、黒髪の青年の姿だった。

自分の長い髪はどこにもない。

代わりにあるのは、少し伸びただけの短くごわつく髪の毛だ。

「……これ、どういうこと?」

鏡の中の青年の口が、自分の言葉に合わせて動く。

それは、紛れもなく椎名 柊の顔だった。

背が高く、肩幅も広い。

今まで着ていた着物やワンピースとは全く異なる、丈の長いTシャツの重みが、身体にずっしりと伝わってくる。

手を見れば、関節がごつごつとしていて、爪は短く切り揃えられている。

まるで自分の意思で動かせない、他人の腕を無理やり装着しているかのような、奇妙でぞっとする感覚だった。

心臓がバクバクと暴れ、全身が震えだす。

あまりの衝撃に、吐き気さえ覚えた。

昨日、自分が届けたあの和菓子が、走馬灯のように脳裏を駆け巡る。

(まさか……あれは、お祖父ちゃんの……?)

花は震える手でスマートフォンを探し、通話履歴から唯一の肉親である祖父に電話をかけた。

呼び出し音が鳴る間も、鏡の中の柊の顔を見つめ続ける。

まるで自分ではない何者かが、そこに立っているようだ。

『やっぱり来たか……柚子花の呪い。』

電話口の祖父の声は、予期していたかのように落ち着いていた。

その声に、花はさらに混乱する。

『え、え、ちょっと待って! お祖父ちゃん、それどういう――』

彼女の切迫した問いかけを遮るように、祖父の声が続いた。

『あれは願いが込められた菓子だ。だが、相応の代償がある。食べた者の最も近い未練が共鳴し、別の魂と引き合う。』

『魂って……! じゃあ、この身体の本当の持ち主は――』

花は自分の頬を、男の太い指で触ってみた。

ひげ剃り跡だろうか、ざらりとした感触がある。

自分の肌の滑らかさとは全く違う。

その生理的な違和感が、彼女の意識を現実へと引き戻す。

『……会って話してこい。鍵は相手が持っている。』

祖父の言葉はそこで途切れた。

花の鼓動は、より一層速くなった。

男の身体に入り込んでしまったという衝撃と嫌悪感、そして、この不可解な現象に隠された真実への漠然とした不安が、彼女の胸に渦巻いていた。

その日の午後、二人は街角の、どこにでもあるような喫茶店で落ち合った。

待ち合わせ場所に現れたのは、確かに自分の顔をした、しかし自分とは全く異なる雰囲気を纏った相手だった。

柊(花の身体)は、小さな身体のまま、背筋をぴんと伸ばして席に座った。

目の前に座る「自分」を見上げることになる。

その視線には、複雑な感情が入り混じっていた。

「……じゃあ、あんたが花ってわけか」

目の前の自分の姿をした男に、柊は忌々しげに言った。

自分の顔が、どこか落ち着かない、ぎこちない表情を浮かべている。

その表情は、まるで初めて触れる玩具を品定めするような、不器用さを含んでいた。

「そっちこそ、柊でしょ? 自分の顔、他人に使われてるって、どんな気持ち?」

花の言葉には、隠しきれない苛立ちと、自分の顔を他人が使っていることへの生理的な嫌悪感が滲んでいた。

普段は落ち着いている彼女の口調も、今はどこか刺々しい。

テーブルの下で、花(柊の身体)は、思わず自分の太い指をぎゅっと握りしめた。

この筋肉のつき方、手のひらの分厚い感触。

どれをとっても自分の知っているものとはかけ離れていて、吐き気がこみ上げてくる。
「……最悪」
柊(花の身体)もまた、自分のか細い指を握りしめる。

筋張った男の手とは全く違う、繊細な感触。

まるでガラス細工のように壊れそうな身体に、今も慣れない。

「同感」

沈黙が支配する。

目の前には、自分と同じ顔、同じ声を持つ人間が座っている。

しかし、その内側は完全に別人なのだ。

この奇妙な状況をどう消化すればいいのか、二人には全く分からなかった。

気まずく、重苦しい空気が二人の間に流れる。

そして、たまらず二人は同時に深いため息をついた。

その息の音が、まるでシンクロしたかのように聞こえた。
「で……どうするの、これ」
先に口を開いたのは花だった。

その声は、驚くほど冷静さを保っていた。

自分の知る冷静沈着な自分自身が、今、自分の目の前にいるように感じられた。

「お互い元に戻りたいってことで一致してるなら、協力するしかないっしょ」

花(柊の身体)は、カップを手に取り、その重みを確かめるようにゆっくりと持ち上げた。

この身体の重さ、重心の感覚は、まだ馴染まない。

(こいつ……こういう状況でも落ち着いてるのか? それとも、俺が女の身体で落ち着けないだけなのか……)

柊(花の身体)は少しばかり感心した。

そして、同時に、自分の情けない現状を突きつけられたような気分になった。

「祖父ちゃんの話だと、未練が原因らしい。思い当たること、ある?」

花は真っ直ぐに柊の目を見て問う。

その視線は、彼の魂の奥底まで見透かすようだった。

「……あんたこそ?」

しばしの沈黙の後、柊(花の身体)が口を開いた。

彼の声には、僅かながら迷いが感じられた。

自分の言葉が、このか細い声で発せられるのが、どうにも落ち着かない。

「母親……だと思う。俺、小さい頃に父親を亡くして、母ともうまくいってない。ずっと、本音を言えなかった」

言葉にするのが、こんなにも重いことだとは知らなかった。

しかし、この身体になって、見知らぬ相手に打ち明けることで、不思議と心が軽くなるような感覚があった。
「……そっか」
柊の告白に、花(柊の身体)の表情がほんの少し和らいだ。

他人の身体に入っているにも関わらず、柊の口から語られる言葉には、確かに彼の魂の重みが感じられた。

「私はね……この店、好きだけど、息が詰まることもあるの。『後を継いでほしい』って、言われ続けてきたから。自分の本当にやりたいことが、分からなくなってた」

互いの未練を打ち明けたことで、二人の間に流れていた張り詰めた空気が少しずつ和らいでいくのを感じた。

身体は別でも、魂が共鳴し合うような、奇妙な連帯感が芽生え始めていた。

目の前の相手が、自分の身体を使っているという生理的な違和感はまだある。

しかし、それ以上に、この状況を乗り越えるための協力者として、互いを認識し始めた瞬間だった。
翌日から、二人は互いの生活を代わりにこなすことになった。

それは想像以上に、戸惑いの連続だった。

花(柊の身体)は、柊が働く居酒屋で不慣れながらも客の相手をし、汗を流した。

男性の身体は、女性と比べてはるかに力が入りやすい反面、狭い通路でのすれ違いや、細やかな手先の動きを求められる場面で、その体格の大きさが邪魔になった。

特に、客に料理を出す際に、うっかり肘が当たりそうになるたび、心臓が跳ね上がった。

そして、何よりも耐え難かったのは、常連客からの馴れ馴れしい視線や、時折投げかけられる男性ならではの冗談だった。

今まで女性として生きてきた彼女にとって、それは異質な空間であり、常に緊張を強いられた。

しかし、柊の身体は、不思議と疲れにくく、深夜までのシフトもこなせてしまうことに、新たな発見もあった。
一方、柊(花の身体)は、花の和菓子店で丁寧な接客や、着物の着付けに四苦八苦する日々を送っていた。

女性の身体は、驚くほど繊細で、すぐに疲労する。

重い和菓子の箱を運ぶだけでも息が上がり、長時間の立ち仕事は足が棒になった。

そして、何よりも神経を使ったのは、着物だった。

帯の締め方から、立ち居振る舞いまで、すべてが男の自分には馴染まない。

裾捌きがぎこちなく、何度も裾を踏みそうになるたび、冷や汗をかいた。

客からの「花ちゃん、今日はいつもと雰囲気が違うわね」という言葉に、内心ヒヤヒヤしながらも、必死で笑顔を取り繕った。

しかし、花の持つ丁寧な言葉遣いや、細やかな気配りは、これまでの自分にはなかったもので、新鮮な気づきでもあった。

ある日の休憩中、店の縁側で冷たいお茶を飲みながら、柊(花の身体)は、店の裏口から客を見送る花(柊の身体)をぼんやりと見ていた。

広い背中、太い腕、そして低く響く声。

それは確かに自分の身体だが、そこにいるのは別の魂なのだと、奇妙な感覚で認識した。
「なあ、俺の体でここまで働いてくれて、ありがとな」
柊の言葉は、以前よりもずっと素直な響きを帯びていた。
花は振り返った。彼女の表情には、一日の疲れと、わずかな困惑が見て取れた。

「……ううん、こっちこそ。あなたのバイト先、変なおじさん多すぎてビビったわ」
花(柊の身体)は、自分の大きな手で顔を覆った。

柊の身体で経験する男性社会の荒々しさは、彼女にとって新鮮な驚きと、同時に避けたい現実だった。
二人は思わず吹き出し、声を上げて笑い合った。

最初はぎこちなかった会話も、今では自然なものになっている。
ふと、視線が交差する。

花(柊の身体)は、目の前の小さな身体の柊を、どこか優しい目で見つめていた。
「……不思議ね」
花が、独り言のように呟いた。
「何が?」
柊が問い返す。彼の声は、まだ慣れないながらも、どこか穏やかだった。
「最初は最悪って思ってたのに、今は……ちょっと楽しいって思っちゃってる。あなたと入れ替わって、今まで知らなかった世界を知ることができたから」
花の言葉に、柊は目を伏せた。彼女が自分の身体で経験した戸惑いや苦労を思うと、胸が締め付けられるようだった。

しかし、同時に、彼女の言葉が自分の心を温かくするのを感じた。
「……俺も、かも」
彼の声は、少し掠れていた。

自分の身体で、男として生きてきた自分には、縁のなかった繊細な感性や、周りの些細な変化に気づく視点。

花の身体で生活する中で、今まで見過ごしていた多くのことに気づかされた。

それは、確かに新しい経験であり、決して悪いばかりではなかった。
沈黙の中に、確かな空気が流れた。

それは、気まずさでも、嫌悪感でもない。

互いを理解し、奇妙な縁で繋がれたがゆえの、温かい繋がりだった。

互いの身体の違和感はまだある。

しかし、その違和感すらも、二人の関係を深めるための、一つの共通認識へと変わりつつあった。

普段から和服を着ている美人さんとか憧れますね。

実際着るのはめんどいですが、夏は映えると思う。

着付けできる人もなかなかいないけどな。

もし着るなら友人に頼もうかな?金取られるだろうけど。

   

今後の進展と元に戻るまで 

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