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朝のアラームが鳴り響き、僕は重い体を起こした。
いつもならスムーズに体を動かせるはずなのに、今のこの体ではそうはいかない。
胸元の膨らみが寝転がった状態でより強調されて見えるのが、何とも言えない気まずさを伴った。
「はあ…これで仕事に行かなきゃならないのか。」
嘆いても仕方ない。さらしを巻き、胸を平らに押しつぶす。
苦しいが、これをしなければ周りにバレてしまうだろう。
職場に着き、いつものように作業着に着替えた。
作業着は体型を隠してくれるが、やはり以前の体とは勝手が違う。
「おい、今日は元気ないな。どうした?」
同僚の田中が声をかけてきた。僕は咄嗟に苦笑いを浮かべてごまかす。
「ああ、ちょっと腹の調子が悪くてさ。昨日変なもの食べたのかも。」
腹痛という言い訳は使い勝手がいい。
トイレに行くときも、今の体ではどうしても個室を使わざるを得ないからだ。
作業が進むにつれて、体の小ささや力のなさを痛感する。
以前なら簡単に持ち上げられた機材が、今は全く持ち上がらない。
「大丈夫か?無理すんなよ。」
「いや、平気。ちょっと今日は調子悪いだけだ。」
自分が情けなくなる一方で、体の変化を隠し続けなければならない焦りが積み重なっていく。
仕事を終え、作業着から私服に着替えると、汗の匂いがふわりと漂ってきた。
その匂いはいつもの自分のものではなく、どこか甘い香りが混ざったような、女性特有のものだった。
「これも、この体のせいか…」
つい心の中でため息をつく。
周りの同僚も、僕に対して何か違和感を抱いているような視線を向けてきたが、誰もそれを口にしなかった。
「とにかく早く家に帰ろう。」
僕はその場を急ぎ足で離れた。
家に着くと、鏡の前で自分の体をじっと見つめた。
触れるだけで柔らかく感じる肌、細い指、丸みを帯びた腰のライン。
「ふざけんな…なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。」
理不尽さが込み上げてくる。1週間で元に戻ると言われても、この間に失うものは計り知れない。
「こんな体にされて、どうせ遊びのつもりなんだろう?」
苛立ちを抑えきれず、自分の体を調べ始めた。
腕を触ると、普段の男性の体とはまったく違う滑らかさを感じる。
胸元や腰回り、足のラインに至るまで、すべてが繊細にできているようだった。
「これが女性の体か…なんだか妙な感じだな。」
だが、それ以上に驚いたのは、敏感さだった。
触れるたびに体が微妙に反応するのだ。
「こんな体で1週間過ごせってのか?冗談じゃない。」
腹立たしさを感じながらも、どこか好奇心が抑えられない自分に気づく。
—
一週間の「女性生活」を終えた僕は、ついに元の体に戻る日を迎えた。
女性から送られてきた場所で待っていると、次第に緊張感が高まる。
(この一週間、散々な目に遭ったけど、ただ返すだけじゃ面白くないよな…)
僕は少しだけ遊び心を発揮することに決めた。
返す体に感謝を込める意味も込めて――いや、どちらかというと、驚かせてやろうという気持ちのほうが強かったかもしれない。
「これでいいか。」
僕は通販で手に入れたコスプレ用のセーラー服を着込む。
意外とサイズ感がぴったりで、少し気味が悪い。
髪を整え、メイクも控えめに仕上げると、鏡の中には完全に「それらしい」女子高生コスプレになっていた。
その上にコートを羽織って服を隠し、準備は万端だ。
約束の日、喫茶店で再びあの女性と会った。
「どう?1週間、慣れた?」
彼女は涼しい顔で尋ねてくる。僕はその顔を見るだけで怒りが込み上げた。
「慣れるわけないだろ!お前が勝手なことしたせいで、どれだけ大変だったか分かるのか?」
「まあまあ、落ち着いてよ。ちゃんと元に戻してあげるから。」
女性は軽く笑いながらペンダントを取り出し、呪文のような言葉を呟いた。
次の瞬間、視界が一瞬暗くなり、気づけば元の体に戻っていた。
だが、彼女は微妙に顔をしかめていた。
「…この服、なに?」
彼女はコートの前をゆっくりと開けて、セーラー服姿の自分を見てしまう。
「お返しする前に、少しだけ楽しませてもらったんだよ。」
僕の満面の笑みに、彼女は一瞬呆然としたが、次の瞬間には顔を赤らめながら声を荒げた。
「ちょ、ちょっと!何してるのよ!こんな格好で返されても困るってば!」
「いやいや、これも一種の体験ってことでさ。ほら、ちゃんと後で着替えればいいだろ?」
彼女は深くため息をつきながら、「もう、本当に手がかかるわね」と笑った。
その表情を見て、僕も自然と笑みがこぼれる。
「まあ、これでお互い様ってことだな。」
こうして、僕たちは元の体に戻る儀式を終えた。
セーラー服姿で驚かせたのは単なる悪ふざけだったが、どこかそれが二人の関係を少しだけ近づけた気がした。
まあ、このくらいの反撃があってもいいんじゃないかなと思います。
事務仕事するにも感覚が違うと出来ること変わりそうですし
力仕事する人なんて、まともな仕事にならなくなりますね。
それにしてもセーラー服って男の方がいつまでも着てる気がする。
女装するときにセーラー服って体型隠せて便利なんですよね。
あと、女の子って感じで好きな人多いんでしょうね。私とか。
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