夕焼けが街を染める頃、カフェの軒先に佇む一人の女性、風間彩乃。
ふわりと風が吹き、彼女の黒髪が軽く揺れる。
ストライプのカーディガンに花模様のスカート。
どこにでもいるような普通の服装だが、その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿っている。
そんな彩乃に声をかけたのは、営業職の帰りらしいスーツ姿の男性、佐藤陽介だった。
「こんばんは、すみません、ちょっとだけお時間いいですか?」
不意に話しかけられ、彩乃は一瞬驚いたように見えたが、すぐに柔らかい笑顔を浮かべる。
「あら、どうしました?」
その微笑みに陽介は一瞬怯むが、勇気を振り絞る。
「急に声をかけて申し訳ないんですが、どうしても気になって……よかったら少しお話ししませんか?」
「あら、ナンパってやつですか?」
彩乃は小首を傾げ、茶化すように言ったが、特に嫌悪感を示す様子もない。
陽介は慌てて手を振る。
「いや、そういうつもりじゃなくて!ただ、その……少し話してみたいなと思ったんです。」
彩乃はその様子を見てくすりと笑った。
「ふふ、じゃあ、どこか落ち着ける場所がいいですね。」
「じゃあ、この近くのカフェとか――」
陽介が提案しようとしたその時、彩乃が手を挙げて遮る。
「いいえ、カフェじゃつまらないです。カラオケなんてどうです?」
「え、カラオケ?」
陽介は予想外の提案に戸惑うが、彩乃の笑顔に押され、渋々同意した。
二人は駅前のカラオケボックスへ入った。
彩乃が選んだ個室は、どこか薄暗く、妙に閉鎖的な雰囲気が漂っていた。
「ここ、静かでいいですよね。」
彩乃が軽やかに笑いながら席に着くと、陽介もぎこちなくその向かいに座る。
「まあ、せっかくだから歌いましょうか。」
彩乃がリモコンを操作しながら言うと、陽介は戸惑いながらもマイクを手に取る。
「いや、俺、あんまり歌うの得意じゃないんだけど……」
「大丈夫ですよ、気にしないで。」
最初の一曲が終わり、ぎこちない空気が漂う中、彩乃がじっと陽介を見つめる。
「ところで、どうして私に声をかけたんですか?」
「え……いや、その……綺麗だなと思って。」
陽介が照れくさそうに答えると、彩乃の瞳が少しだけ細められた。
「そっか。嬉しいです。」
その言葉を最後に、彩乃は静かに鞄の中から小さなスプレーを取り出した。
「……ごめんなさいね。」
「え、何を――」
陽介が言葉を発する間もなく、顔に冷たい霧が吹きかけられる。
「!? おい、何を――」
声を上げる間もなく、陽介は意識を失い、その場に崩れ落ちた。
目を覚ました陽介は、目の前に広がる異様な光景に呆然とした。
「……何だこれ?」
鏡に映るのは、自分の顔ではなく、先ほどまで目の前に座っていた彩乃の姿だった。
「な、何で俺が――」
自分の声が女性のものになっていることに気づき、陽介は思わず口を押さえた。
「嘘だろ……これ、どうなってるんだ……!」
テーブルの上には、一枚の手紙が置かれていた。
震える手でそれを開くと、彩乃の丁寧な字でこう書かれていた。
手紙の内容:
「お目覚め、おめでとうございます。あなたには新しい人生を送ってもらうことになりました。私はあなたの体を使って自由に生きることにしますので、どうぞこの体で幸せに暮らしてください。ちなみに、私には帰る家もありませんし、貯金もほとんどないですから、その辺はご了承くださいね。
追伸:もしどうしても私を探したいなら、頑張ってみてください。ですが、その努力が報われる保証はありません。」
陽介の手が震える。
「ふざけんな……!」
怒りと混乱の中、彼は自分が完全に女性の体になってしまった現実を受け入れざるを得なかった。
「何でこんなことに……俺の体を返せ……!」
一方、陽介の体を手に入れた彩乃は、彼のスマートフォンを片手に、新しい人生を計画していた。
「さて、これからどうしようかしら。男の人生も、案外楽しそうね。」
街の喧騒の中で、彩乃は新しい未来を思い描きながら、歩き出した――。
可愛い女の子に声をかけたい気持ちはわかりますが
今の時代はデメリットが多すぎます。
すぐに痴漢扱いされそうだし、何もかも奢らされそうだし。
その場で合意してても、後から幾らでもひっくり返せますし。
その上で体や生活まで持って行かれたらほぼほぼ破滅しますね。。。
なので私はやりません。
お金持ってないし。
むしろ声かけて、奢って。冤罪かけたりしないので。
コメント