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制服とスーツの狭間で【TSF、入れ替わり、制服】

翻訳

佐藤直樹は、姪の茜の家を訪ねるために久しぶりに足を運んだ。

社会人として忙しい毎日を送っている直樹だったが、最近、両親から「茜のことが心配だ」と頻繁に聞かされていた。

引きこもりがちな姪を気にかけ、少しでも彼女の気持ちを理解しようと訪問を決意したのだ。

インターホンを押しても、最初は応答がなかったが、何度か呼びかけると、茜がようやくドアを開けた。

薄暗い部屋の奥から無言で出てきた彼女は、彼をじっと見つめる。

「…何しに来たの?」茜は冷たく言い放った。

「いや、たまには顔を見せようと思ってさ。両親も心配してるし」

直樹の言葉に茜は少しだけ眉をひそめ、嫌そうな顔をした。

どうにかして話をしようと、直樹は部屋に入れてもらったが、茜の表情には不機嫌さがにじみ出ていた。

「…説教とか、やめてよね。私には私の考えがあるんだから」

彼女の態度に少し苛立ちを覚えながらも、直樹は気を取り直し、彼女が何を考えているのか、少しでも理解しようとした。

だが、その時だった。急に視界が揺れ、強烈な目眩が直樹を襲った。

気が遠くなり、視界が真っ暗になる。

そして、気が付くと、自分の体ではない、茜の体で部屋に座っていたのだ。

「…なんだ、これは?」

自分の姿をした茜が、直樹を見下ろしながら微笑んでいた。

彼女の表情には、これまでの不機嫌さはなく、どこか満足げな雰囲気が漂っている。

「叔父さん、せっかくだし、私の代わりに学校行ってきてよ。どうせ会社でもつまらないんでしょ?」

「ふざけるな!俺は茜じゃない…!」

そう叫ぼうとしたが、茜の声で発せられる自分の言葉に驚き、直樹は思わず口を閉じた。

彼女の提案を受け入れるかどうか悩む余地もなく、茜はそのまま彼の体で部屋を出て行った。

翌朝、直樹は茜の制服を身にまとい、鏡の前で深いため息をついた。

スカートの丈、リボンの結び方、そして女子高生としての自分の姿。

すべてが違和感だらけだったが、姪の冷たい言葉が頭に浮かび、逃げることもできなかった。

「…どうにかやり遂げるしかない、か」

学校に到着すると、周囲の生徒たちがちらちらとこちらを見てはささやき合っているのがわかる。

彼らは何か異変を感じ取っているのかもしれない。

しかし、直樹は表情を引き締め、茜になりきる覚悟を決めた。

教室に入ると、クラスメイトたちが一斉にこちらを見た。

どこか緊張した面持ちで席に座ると、友人の一人が声をかけてきた。

「茜ちゃん、最近なんか雰囲気変わったよね。大丈夫?」

直樹は一瞬どう答えるべきか迷ったが、できるだけ自然に振る舞おうと努めた。「えっと…まあ、ちょっと気分転換してるだけ」

そのぎこちなさが、かえって彼らの疑念を深めたかもしれない。

しかし、時間が経つにつれて、彼も次第に周囲と打ち解けていった。

数日が過ぎ、直樹は「茜」としての生活に少し慣れてきた。

しかし、その一方で、彼の生活は確実に崩れ始めていた。

家に帰ると、会社から解雇通知の封筒が届いていたのだ。

彼の体を使っている茜が、会社に無断欠勤を繰り返していることを知り、直樹の心には焦りと怒りが入り混じった。

しかし、茜の体である以上、直接会社に連絡を取ることもできない。

彼は茜に問いただそうとしたが、彼女は一向に彼の体で現れず、ただ時間だけが過ぎていった。

一方、学校では少しずつ周囲との関係が変わっていく。

初めは奇異の目で見られていた直樹だが、次第にクラスメイトたちと会話を交わすようになり、彼の中で茜としての生活に対する感覚が変わり始めていた。

「茜ちゃん、今日も一緒に帰ろうよ」

クラスメイトの香織が声をかけてきた。

直樹は戸惑いながらも、彼女と一緒に下校することにした。

彼女の屈託のない笑顔や親しげな態度に触れ、直樹は次第に「茜」としての生活に安らぎを見出していった。

しかし、その一方で、自分の体を持つ茜がどうしているのか、直樹の心には常に不安がつきまとっていた。

ある日、茜がふらりと彼の体で帰宅した。

彼女は何事もなかったかのように部屋にこもり、直樹の問いかけにもそっけない態度を見せた。

「おい、茜。俺の生活はどうなるんだ?お前が無断で会社を辞めたせいで…」

茜は無表情で直樹を見つめ、「私の生活を楽しんでくれた?」と皮肉げに言い放った。

彼女には、自分の引きこもり生活を肯定する意図があるようだったが、直樹にとっては受け入れがたい言葉だった。

「…お前の言い分はわからないわけじゃない。でも、こんな形でしか自分を表現できないのか?」

彼の問いかけに茜は答えず、ただ無言で彼を見つめ返すのみだった。

入れ替わりの生活がいつまで続くかはわからなかったが、直樹は次第に自分の状況を受け入れる決意を固めた。

茜の体で学校に通う日々は、自分にはなかった「青春」を取り戻す機会かもしれない。

そして、茜もまた、彼の体で何かを見つけることを期待していた。

それぞれが自分の役割を果たし、日々を歩んでいく中で、やがて二人は新たな一歩を踏み出すことを決意するのだった。

学生になる側であれば、両親の保護もあるし生きていけますが

大人側になるのであれば、一人で引きこもりだと人生詰みそう。

代わりに学校に行ってもらうのは兎も角

代わりに相手の生活をする必要が出てしまいます。

ある意味大人にさせられた方が大変なことになりますね。

女子高生の生活とか一回試してみたい気もしますが。。。

女性の生活って、大変そうなのでずっとは続ける自信がないです。

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