夜の帰り道、電車の中は混雑していた。
終業後の疲れた表情をした人々であふれる車内、その中に一人、控えめな雰囲気の女性が立っていた。
白いブラウスにフリルのスカート、黒いストッキングに包まれた足は細く、華奢な肩が揺れるたび、周囲の目が自然と引き寄せられていた。
「――いけるか？」
痴漢癖を持つ男は舌なめずりをしながら、彼女にじりじりと近寄る。
手には持っていた雑誌を持ち、カモフラージュしながらそっと彼女の腰に触れた。
微妙に反応する感触。
彼女は振り返らずに一歩前に進む。
男の中で手応えが確信に変わった。
「大人しそうだな……これは簡単に済むだろう。」
だが次の瞬間、男の手を押し返す冷たい力が働いた。
「――何をしているんですか？」
低い声だった。男は驚きながら顔を上げたが、彼女の目は鋭く、何か不穏な空気を纏っている。
彼女は男の腕をぐいっと掴み、周囲の乗客に気づかれないよう素早く車内から引きずり出した。
「ここは……？」
連れ込まれたのは人気のない駅の個室トイレだった。
彼女はドアをロックし、男を壁際に押し付ける。
怯える男に対し、彼女は冷静そのものだった。
「あなた、自分が何をしたかわかっていますか？」
「い、いや、その……勘違いだ！手が滑っただけで……」
彼女は鼻で笑う。鋭い視線が男を貫いた。
「勘違いで触る場所ではないでしょう？」
彼女はふと微笑むと、静かに手を自身の襟元へ持っていった。
そして――その瞬間、男の血の気が引いた。
スカートをひらりと持ち上げた彼女の下には……明らかに男性の証があった。
「っ……男……だと？」
驚きに震える男に、彼女――いや、彼――は冷ややかに告げた。
「痴漢する相手を選び間違えましたね。でも安心してください、あなたにはお仕置きをするだけですから。」
彼の手際は早かった。
スカートとストッキングを脱がされ、次に彼が手にしたのは男の衣服だった。
全てを取り上げ、代わりにそこに置かれたのは――薄いピンク色のブラジャーとショーツ。
「さて、選びなさい。全裸で出るか、これを着て外に出るか。」
「ふざけるな！こんなもの着られるわけ――」
「全裸で出たいんですか？いいんですよ、それでも。通報するだけですし。」
静かな声で告げるその表情に、冗談の色は一切ない。
男は葛藤の末、震える手で下着を手に取った。
「くっ……こんなこと……」
「ほら、早く着替えなさい。いつまでも待ってあげませんよ。」
彼の命令に従わざるを得ず、男は屈辱的な姿へと変わっていった。
ブラジャーを身につけ、ショーツをはき、最後に彼のストッキングまで履かされた。
鏡に映る自分の姿はまるで滑稽な道化だった。
「これで満足かよ……」
男は吐き捨てるように言ったが、彼の返答は冷たかった。
「いいえ、まだです。外に出ましょうか。」
外に出ると、そこには数人の女性たちが待っていた。
電車内で男が今まで痴漢していた被害者たちだ。
彼女たちは男を見て、憤りと軽蔑の入り混じった目を向けた。
「この人、私たちのこと散々触ってきたんですよね？」
「ええ。でもこうして見世物になってもらえば、少しは反省するでしょう。」
女性たちは次々に彼の姿をスマホで撮影し始めた。
羞恥と怒りで顔を赤らめた男は逃げ出そうとしたが、周囲の視線がそれを許さない。
「おい、もうやめてくれ……俺が悪かった……！」
「そう思うなら、二度としないことですね。」
そう言い残し、彼はその場を後にした。
この一件の後、男は痴漢をするどころか人目を避けるようになったという。
そしてもう二度とあの目つき鋭い「女性」とは会うことはなかった。
罰としてはなかなか大変な感じです。
警察沙汰な時点で人生詰みますが、これはこれで詰みますね。
まあ、実際に痴漢とかする人は人生詰んでも困りませんがw
ただ、冤罪もあるので、そこは慎重にですね。。。
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