学校が終わり、僕――拓也はいつものように彼女の家に向かっていた。
今日は彼女――美咲が「家族は出かけてるから、ゆっくりしていっていいよ」と言っていたのを思い出し、少し気楽な気分で玄関のチャイムを鳴らした。
「ごめんくださーい!」
しばらくしてから玄関のドアが開いた。
しかし、現れたのは美咲ではなく、セーラー服を着た大人の女性――いや、高齢の女性だった。
彼女の祖母――和子さんだ。
「えっ……おばあちゃん?」僕は反射的に声を上げた。
「いらっしゃい。」和子さんは微笑みながら少し照れくさそうにスカートの裾を整えた。
「どうかしら、似合う?」
「え……あ、はい……?」どう答えていいのか分からない僕は、曖昧な返事をするしかなかった。
和子さんは落ち着いた雰囲気の人だが、セーラー服を着ているその姿は明らかに異質で、なんとも言えない違和感を覚える。
「それじゃあ、また来ます!」と、僕は反射的に踵を返そうとしたが――。
「待ちなさい!」
和子さんが僕の腕を掴んだ瞬間、不思議な温かさが体を包み込んだ。
そして、まるで風に流されるような感覚とともに意識がふっと遠のく。
目を開けた拓也は、見慣れない天井を見上げていた。
いや、それだけではない。全身に妙な違和感があった。
肩や腰に鈍い痛みがあり、何かを動かすたびに節々がぎくしゃくする。
「な、なんだこれ……?!」
僕は起き上がろうとしたが、体が重く、思うように動かない。
なんとか鏡の前まで這うようにして行き、自分の姿を見た。
そこに映っていたのは――セーラー服を着た和子さんの姿だった。
「これはどういうことだ!?」混乱して叫ぶと、背後から声がした。
「おばあちゃん、うまくいったみたいだね。」
振り返ると、そこには僕の姿(どうやら美咲?)が立っていた。
「ちょっと待て、どういうことだよ!?」
僕は腕を回して軽く動かしてみせた。
「この力、私たちの家系に伝わるものなんだって。おばあちゃんにお願いして、試してみたの。」
「いや、試してみたって……」僕が言葉を詰まらせていると、階段の方から足音が聞こえた。
「お待たせ。」現れたのは――学ラン姿の美咲。
いや、正確には美咲の体に入った和子さんのようだった。
「どう?似合うかしら?」和子さんは軽く学ランの襟を整えながら微笑んだ。
その姿は普段の和子さんの雰囲気とは違い、どこか生き生きとしていて新鮮だった。
「すごい……本当に若返ってるみたい。」美咲は僕の顔――いや、自分の体で感心しながら言った。
「学ランなんて初めて着たけど、こういう格好も悪くないわね。」
和子さんはポケットに手を突っ込み、少し胸を張って見せた。
「おばあちゃん、似合ってる!」美咲は笑顔で拍手する。
僕はというと、再び自分の姿を鏡で確認しては、老いた体の違和感に苦しんでいた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ……腰が痛いし、足が動きにくい。あと、視界もぼやけてるぞ……。」
「年齢の違いって面白いでしょ?」
美咲は楽しそうに言いながら、僕の体で鏡の前に立ち、ポーズを取っていた。
「この体、思ったより動きやすいね!こんなに筋肉あるなんて気づかなかった!」
それからしばらくの間、僕たちは新しい体と服装を試してみることにした。
僕――和子さんの体のままセーラー服を着続け、しばらくその違和感に慣れる努力をした。
スカートがふわりと揺れる感覚やリボンの締め付けが妙に落ち着かない。
それでも、鏡に映る姿を見ていると少しずつ慣れてくる自分がいた。
美咲は僕の体を使って女装を楽しんでいた。
フリルのついた服を選び、鏡の前で何度もポーズを取っては笑顔を浮かべている。
「やっぱりこういう服もいいよね!」美咲は僕の体で軽やかにステップを踏みながら、次々に服を試していた。
一方、和子さんは学ランを着て堂々と振る舞い、「若い頃に戻った気分だわ」としきりに感慨深げな表情を見せていた。
「そろそろ元に戻りましょう。でも、この経験は大事にしたいわね。」
「またやろうよ!」美咲は満面の笑みで答える。
「それなら次は美咲と僕だけで入れ替わるってのはどうだ?」僕は提案した。
すると、美咲と和子さんは顔を見合わせてから、一斉に首を横に振った。
「それはダメ!」美咲はすぐさま却下する。
「二人きりじゃなくて、三人でやるから楽しいのよ。」和子さんも微笑みながら補足する。
「そ、そうか……」僕は少し残念な気持ちになりつつも、この奇妙な体験がまた次回あることを楽しみにする自分がいるのを感じていた。
こうして僕たち三人だけの秘密――不思議な絆は、これからも続いていくのだろう。
完全に貧乏くじ引かされてますね。。。
よく使われてる加工アプリですが、老化なんてのも出来ます。
なので、こういう話で無理やり使ってみました♪
私も年取ったらこうなるのか?
おばあちゃんのイラストはなかなか上手く作れない。。。
そしていきなり高齢になるのは流石に辛い。。。
ネタでやってみましたが、多分あんまり使わないな。
コメント