ピンク色の部屋で、彼女は踊っていた。
キッチンのシンクの隣、家具の影が薄暗い部屋をさらに神秘的にしていた。
彼女の手には黄色いリボンが握られ、そのリボンは彼女の動きに合わせて空中を舞っていた。
彼女には名前がない。なぜなら、彼女は夢の中の存在だからだ。
毎晩、この部屋に現れては、誰もいない部屋で踊り続ける。
彼女の顔は見えない。それは、彼女が誰か特定の人物ではなく、見る人それぞれの想像力に委ねられているからだ。
この夢を見るのは、ある青年だった。
彼は毎晩、この夢の中で彼女と一緒に踊ることを楽しみにしていた。
彼にとって、彼女は完璧なダンスパートナーだった。
彼女の動きは自由で、彼女のリボンは彼の心を解き放つ鍵だった。
しかし、ある夜、彼女は現れなかった。
青年は部屋の中を探し回ったが、彼女の姿はどこにもなかった。
リボンも、彼女の踊りも、彼女の存在も、すべてが消えてしまった。
青年は目を覚ました時、何か大切なものを失ったような感覚に襲われた。
それからというもの、青年は毎晩、彼女が戻ってくるのを待ち続けた。
彼は彼女の踊りを見るために、夢の中で何時間も何時間も待った。
そしてついに、彼女は戻ってきた。
彼女は以前と変わらず、黄色いリボンを手に踊っていた。
青年は理解した。彼女は永遠には彼のものにはならない。
彼女は夢の中の一時的な逃避であり、現実世界には存在しない。
それでも、彼は彼女との時間を大切にし、彼女の踊りからインスピレーションを受けて、
自分自身の人生を踊り続けることを決めた。
リボンは持ってないですけどね。
服のひらひらがリボンになったのかな?
今日はホワイトデーなので、世の男性は
家族や仲の良い人に何かやってあげて下さい。
私も家族くらいには何かしようかと。。。
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