夕方の教室。
放課後の静寂が心地よく漂う中、春樹(はるき)は誰もいないことを確認しながら、机から取り出したセーラー服をそっと見つめた。
それはクラスメイトの美咲(みさき)が部活の間に置いていったものだった。
「ちょっとだけ……どんな感じか見てみたいだけだし、すぐ脱ぐから……」
自分にそう言い聞かせながら、春樹は男子制服を脱ぎ、セーラー服に袖を通した。
スカートを腰に巻くと、軽やかな布地の感触が新鮮だった。
鏡を覗き込むと、普段とはまるで違う自分がそこに映っていた。
「……これが俺なのか……?」
鏡に映る姿に驚きつつも、心のどこかで高揚感を覚える春樹。
しかしその瞬間、教室のドアが突然開き、美咲本人が立っていた。
「……春樹くん? 何やってるの?」
驚きの表情を浮かべる美咲に対し、春樹は動揺して固まってしまった。
「あ、いや、これはその……!」
焦る春樹に対し、美咲は腕を組み、ため息をつきながら言った。
「なるほどね。まあ、そこまでやったなら……最後までやるべきじゃない?」
「最後って……?」
美咲は少し意地悪そうに笑みを浮かべると、自分のカバンから小さな袋を取り出した。
「はい、これ。新しいやつだから安心してね。」
袋の中には新品の女子用インナーが入っていた。
それを見た瞬間、春樹の顔が一気に赤くなる。
「いやいやいや! それはさすがに無理だって!」
「でも、スカートのラインが崩れてるし、せっかくだからちゃんとしたいでしょ?」
「いや、そんなの気にしなくていいし!」
必死に抵抗する春樹をよそに、美咲は強引に渡そうとする。
「大丈夫だって。誰にもバレないし、私がちゃんとサポートするから。」
そう言いながら、美咲は半ば強引に袋を渡してきた。
観念した春樹は、教室の隅でそれを身につけることに。
「どう? 違和感ないでしょ?」
「……なんか、変な感じだ……」
女子用のインナー特有の感覚に戸惑いながらも、美咲の指示でウィッグや小物を整えられ、春樹は完璧な「女子高生」の姿に仕上がっていく。
「はい、これで完成! あとは自然な振る舞いを覚えれば大丈夫だよ。」
美咲は満足げに微笑むが、春樹は恥ずかしさでいっぱいだった。
教室を出ると、夕焼けが街を包み始めていた。
春樹はできるだけ人目を避けようとするが、美咲はそんな彼をからかうように笑っていた。
「春樹ちゃん、すっごく似合ってるよ。これで本当に女の子みたい!」
「やめろって……もう早く終わりにしたいんだ……」
「でも、せっかくここまでやったんだから、ちょっと寄り道してみようよ。」
「絶対に嫌だ!」
しかし、美咲の提案を断りきれず、二人は近所のコンビニに立ち寄ることになった。
春樹はできるだけ目立たないように俯きながら店内を歩いたが、美咲はあっけらかんとアイスを選び、楽しそうにしていた。
「春樹ちゃんも何か買ってみたら? 女の子らしいお菓子とかどう?」
「そんな余裕あるわけないだろ……」
店を出た後も、美咲は終始楽しそうに笑っていた。
家に帰り着くと、ようやく春樹はこの奇妙な体験が終わったことに安堵していた。
しかし、美咲は最後にこう言った。
「今日は楽しかったね。また一緒にやろうね!」
「もう絶対にやらないから!」
そう言い放ちながらも、春樹の心のどこかには妙な期待が残っていたのだった。
こっそりこういうことしてた人いるんですかね?
普通に細身の男が女子から借りてるのはあったけど。
今なら大きいサイズのコスプレ用が安く売ってますが
本物はやっぱり作りが良いんですよね。
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