夏の夜、山の麓にある小さな村に不思議な噂が広まっていた。
「人里に降りてきた人外の少女がいる」と。
その話を耳にした俺、田中真一は、好奇心に駆られてその少女を探しに行くことにした。
山の中腹に差し掛かった頃、柔らかな月明かりに照らされた清らかな水辺で、ひとりの少女が座っているのを見つけた。
彼女は、黒い猫耳と長い黒髪を持ち、白いドレスを身に纏っていた。
その姿はまるで絵画から抜け出したかのような美しさだった。
俺が思わず足を止め、彼女に声をかけようとした瞬間、彼女の大きな紫色の瞳が俺を捉えた。
まるで吸い込まれるような感覚に襲われたが、言葉が出ない。
彼女はゆっくりと立ち上がり、静かにこちらに近づいてきた。
「あなた、私を探していたの?」
甘い声が耳に響く。その声には不思議な力が宿っているようで、俺はただ頷くことしかできなかった。
「それなら、私と一つになってみない?」
彼女がにこりと微笑む。その瞬間、彼女の手が俺の胸に触れた。
驚きと共に強烈な光が目の前を覆い、気が遠くなった。
気がつくと、俺は地面に倒れていた。
体中が重く、動かそうとすると妙な違和感を覚えた。
ゆっくりと体を起こし、目の前に広がる光景を確認する。
目に入ったのは、俺自身が見下ろしている――そう、そこには俺の姿があった。
「ま、まさか…」
口から漏れたその声は、自分のものではなく、先ほどの少女の声だった。
恐る恐る自分の体を見下ろすと、そこには白いドレスに包まれた小柄な体があった。
さらに驚いたのは、頭の上に猫耳が生えていることに気づいた瞬間だった。
「これ…どうなってるんだ…?」
混乱する俺の前で、元の俺の体が立ち上がり、彼女がにやりと笑みを浮かべた。
「これでやっと、あなたと同じ世界を見ることができるわ」
彼女の言葉に含まれる不思議な感情に、俺はさらに混乱する。
彼女は俺の体で、俺の声で言葉を紡ぎ出していた。
「な、なんで…こんなことを…?」
彼女は軽く肩をすくめ、淡々と答えた。「ただ、あなたが私を見つけてくれたから。それだけの理由よ。」
俺は必死に抗議しようとしたが、彼女はそれを楽しんでいるかのように微笑んだだけだった。
「元に戻してくれ!」
俺は必死で訴えたが、彼女は首を振った。
「嫌よ。あなたは少しの間、私の代わりにこの世界を見て回りなさい。あなたが見たことのないものをたくさん見つけられるわよ」
彼女の言葉はまるで冒険を促すようだったが、俺にとっては悪夢以外の何物でもなかった。
日が経つにつれ、俺は彼女の体に慣れていったが、違和感は拭えなかった。
村の人々はこんな姿になった俺を見かけるたびに親しげに挨拶してくるが、その視線が俺にとっては恐怖の対象でしかなかった。
彼女の姿で生活する俺は、いつも笑顔で村の人々と接していたが、彼女が俺の体でどう過ごしているのかが気になって仕方がなかった。
ある日、再び山へと向かった俺は、元の姿に戻るための方法を求めて、彼女を探し続けた。
しかし、見つけたのは彼女が座っていた場所に残された白い花だけだった。
「彼女は…戻らないのか…?」
俺の中に押し寄せる不安と焦燥感。元の体に戻れないという恐怖が、徐々に俺を蝕んでいく。
しかし、その時、俺はふとあることに気づいた。彼女は俺に何かを伝えたかったのではないかと。
それから数週間後、俺は少しずつ彼女の世界に慣れていった。
猫耳を持つ少女の体で見る景色は、確かに俺がこれまで見たことのないものばかりだった。
動物たちと話すことができ、風の音や木々の囁きまで聞こえるようになった。
そして何より、人間の世界では得られなかった「自由」を感じることができた。
彼女がなぜ俺と入れ替わったのか、その真意は未だに分からない。
しかし、今は少しだけ彼女の気持ちが理解できる気がする。
自由な存在としての生き方――それを彼女は俺に教えたかったのかもしれない。
村の人々も、俺の変化に気づき始めていた。
しかし、俺はもう動揺することなく、彼女の姿で彼らと接することができるようになった。
彼女の意図は何だったのか、そしてこの体でどれだけの時間を過ごすことになるのか、今はまだ分からないが、俺はこの新しい世界での生活を楽しんでみることにした。
いつの日か、彼女が再び現れる時まで。
これもかなり元の写真から変わっちゃったパターン。
メイド服だったのがなんかすけすけに。。。
猫耳少女になれたら何したいですか?
とりあえず私はYouTuberでもやってみますかね?
VTuberにすらなる必要がない気がします。
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