「ねぇ、ちょっと力貸してほしいんだけど。」
放課後の教室で、真希が俺に声をかけてきた。
彼女は同級生で、いつも軽口を叩き合う仲だが、今日の声には少し困ったような響きが混じっていた。
「力? 何か重いものでも運ぶのか?」
「そう。買い物した荷物が予想以上に多くて、私ひとりじゃ持てそうにないの。」
「へぇ、そりゃ災難だな。でも手伝うって、俺が運ぶってこと?」
「そうだよ、頼める?」
彼女が少し申し訳なさそうに笑いかけてきた。
別に嫌じゃないけど、正直面倒だなとも思う。
そんな俺の心の声を知ってか知らずか、真希はさらに頼み込むように目を細めた。
「お願い、あなただけが頼りなの。」
「ふーん……なるほどね。」
俺は一つ頷きながら、妙案を思いついた。
それが彼女の望みならば、俺が直接運ぶ必要はない。
身体を入れ替えて彼女にやらせればいいだけだ。
そうだ、貸すのは俺の「身体」だけでいい。
「わかった、任せとけ!」
「え、本当? やったー!」
真希が喜ぶ姿を見ながら、俺はポケットからこっそり取り出した小型の装置に手を伸ばす。
これ、俺がネットで偶然見つけた「身体交換装置」。試したことはなかったが、今がそのチャンスだろう。
彼女が気づかないうちに装置を操作し、ボタンを押す。
すると、周囲が一瞬白く輝き、俺の視界がぐるりと回った。
「……あれ?」
気づけば、目の前に立っているのは俺の身体――そして中身は真希だ。
「えっ!? なにこれ!?」
彼女の驚いた声が俺自身の口から発せられる。
俺はニヤリと笑った。
「どうだ、すごいだろ? 身体を交換する装置だ。」
「え、嘘でしょ!? 何やってんのよ!」
「だって、力を借りたいんだろ? 俺の身体を貸してやったんだから、自分で荷物運びしてこいよ。」
「ちょっと待ってよ! そんな話じゃない!」
真希は慌てて俺の身体――つまり彼女の新しい身体――を見下ろしたが、俺はもう行動を起こしていた。
「じゃ、俺はこの身体で少し遊びに行ってくるから。荷物運び、頼んだぜ!」
「おい! 待ちなさい!」
彼女の叫び声を背に、俺は真希の身体を使って軽やかに教室を後にした。
「いやぁ、女の身体って軽いもんだな。」
パチンコ店に着いた俺は、真希の身体で思い切り遊び始めた。
いつもと違う視線を感じるが、そんなことは気にしない。
幸運にも、台は大当たりを連発し、景品を大量にゲットした。
「最高じゃないか。これも全部、身体を交換したおかげだな。」
一方、真希――俺の身体を使って荷物運びをしている彼女は、慣れない男の力に苦戦していた。
「くそっ、この身体、思ったより扱いにくいじゃない……。」
重い荷物を抱えながら、彼女は額に汗を浮かべていた。
「なんでこんなことになってるのよ……!」
夕方、指定された場所で再会した俺たちは、互いに睨み合っていた。
「遊びすぎなんじゃないの?」
「何言ってんだよ、俺の身体だぞ? 楽しむ権利はあるだろ。」
「はぁ? そもそも勝手に交換したのはそっちでしょ!」
俺は悪びれずに笑いながら、パチンコで稼いだ景品を見せびらかした。
「ほら、これ全部俺が稼いだんだぞ。」
「それ、私の身体でやったことでしょ!」
「まぁまぁ、細かいことは気にするなって。」
「細かくないわよ! これ全部返して!」
「ええっ、ケチだな。」
仕方なく景品を彼女に渡すと、真希は俺の身体の額に油性マジックで大きく「バカ」と書き足してきた。
「おい、何してんだよ!」
「これ、私からの仕返しだから。」
「……お前、本当に容赦ないな。」
結局、俺たちはお互いの身体に戻り、険悪な雰囲気のままその日は解散した。
「次はもっと普通に頼んでくれよ。」
「次があると思わないでよね。」
真希は最後にそう言い捨て、そそくさと帰っていった。
男に力仕事を任せたがる女性は多いですね。
実際力は男性の方がある場合が多いので。
でも、体が交換できれば自分で出来ますよね?
こんな感じで、ジェンダーフリーにならないかな?
まあ、無理やりだと返してもらうときにいたずらされますよね。
今回の話とか、某映画だとイタズラ書きで済んでますが
昔のとある漫画だと肛門をアロンアルファで固められるとか。。。
うん。下ネタすみません。。。
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