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「ねぇ悠斗、ここって縁結びで有名な神社なんだって」
美咲が俺の手を引いて、山の中にある神社へと歩いていく。
朱色の鳥居が並ぶ石段を登ると、境内は静かで厳かな雰囲気に包まれていた。
「カップルで願掛けすると、絆が深まるんだって」
美咲が微笑みながら、小さな木札に願い事を書いている。
「ずっと一緒にいられますように」……か。かわいいやつだな。
俺も適当に「美咲と幸せに過ごせますように」と書いた。
「じゃあ、一緒に絵馬をかけよっか」
二人で並んで絵馬を奉納し、鈴を鳴らして手を合わせる。
その瞬間――目の前がふっと暗くなった。
「……っ」
意識が戻ると、目の前に見慣れた自分の顔があった。いや、自分の顔……?
「えっ……えええっ!?」
美咲の声で叫んだのは、俺のはずなのに、聞こえてきたのは柔らかく高い声だった
目の前の”俺”が驚いた表情で俺を見つめている。
「まさか……入れ替わった?」
焦りながら手を動かすと、見覚えのない白く細い指が動いた。
視線を下げると、淡い色の着物が目に入る。
そして――妙に締め付けられる感覚がある。
「な、なんか苦しい……?」
俺は無意識に胸元を押さえる。指先に伝わるのは柔らかく弾力のある感触。
「……っ!」
瞬間、体中にじんわりとした違和感が広がる。
普段なら絶対にありえない感覚に、心臓が跳ね上がった。
「お、おい、これ……やばくね?」
俺がパニックになっている横で、美咲――つまり俺の体に入った彼女も顔を引きつらせていた。
「ちょっと待って、なんか……落ち着かない……」
美咲は、ぎこちない動きでズボンの前を気にしている。
「うわ……」
言葉を失いながら、彼女は顔を赤くして足を閉じたり開いたりしていた。
「悠斗、これ、めちゃくちゃ変な感じ……! 座ると、なんかこう……邪魔……?」
「言うな!! 俺だって、すごい違和感あるんだから!」
女性の体になった俺は、胸だけじゃなく、下着の感触にも戸惑っていた。
いつもなら何も気にしないはずの肌着が、やたらと締め付けてくる。
特に腰回りのきつさと、下着の布の薄さがどうにも落ち着かない。
「は、早く戻らないと……」
俺たちはお互いの体を意識しないようにしながら、慣れない動きで神社を後にした。
なんとか動きを慣らしながら、美咲の家に到着した。
玄関の扉を開けると、母親が迎えてくれる。
「あら、美咲、着物似合ってるわね」
「え、えっと……ありがと……」
俺は美咲になりきろうと、できる限り丁寧な口調で答える。
「少し歩きにくいけど、どう?」
「う、うん……ちょっと違和感あるけど……」
母親は「ふふっ」と微笑みながら、お茶を入れてくれた。
美咲――つまり悠斗がこっそり視線を送ってくる。
(俺、ちゃんとできてるか?)
(うん、大丈夫……!)
だが、母親の視線が鋭くなる。
「美咲、なんだか今日は少しぎこちないわね」
冷や汗が流れる。母親の目はごまかせない……!
なんとか母親の追及をかわし、俺は美咲として一日を過ごした。
慣れない着物の感触、女性としての振る舞いに戸惑いながらも、次第に自然に動けるようになっていく。
一方で、悠斗(美咲)は自分の体を試すように動いていた。
「おぉ、男の腕ってこんなに力強いんだね……」
「変なことすんなよ!?」
美咲の表情が悪戯っぽくなる。
「じゃあ、悠斗はどんな気分? 女の体って、こう……感覚違うでしょ?」
「えっ……そ、それは……」
頬が熱くなる。肌の感覚、胸の重さ、すべてが繊細で敏感に感じられる。
ふとした動きで髪が揺れるだけで、くすぐったくて妙な気分になる。
「ふふ、私の体だから大事にしてよ?」
「そっちこそ、俺の体で変なことすんなよ……!」
互いに意識し合いながらも、俺たちはこの状況をどうするか考えていた。
「ねぇ、もう一度神社に行こう」
そう提案したのは美咲だった。
「このままじゃ色々不便すぎるし、やっぱり戻らないと……」
「そうだな……」
再び神社に向かい、今度は手を合わせながら願いを込める。
「元の体に戻れますように……!」
風がそよぎ、鈴の音が響く。次の瞬間――また、意識が遠のいた。
目を開けると、俺の体に戻っていた。
「やった……!」
美咲と顔を見合わせ、安堵の笑みを浮かべる。
「なんだか不思議な体験だったね」
「もう二度とゴメンだけどな」
そう言いながらも、俺はどこか名残惜しい気持ちを抱えていた。
美咲の視線も、どこか複雑そうで……。
こうして俺たちの”入れ替わりの一日”は幕を閉じた。
だが、お互いの体を知ったことで、今まで以上に相手を大切に思えるようになった気がする――。
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女性になって着物を着るってどっちがインパクト強いんですかね?
女性の身体も気になるけど、着物の違和感は普段洋服着てるとわからん。
普通に着物着てるといつも通りに動けず大変です。
そんな中で自分の身体に対して色々考える余裕はあるのでしょうか?
私は多分着物そっちのけて自分の身体を確認します。
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